2013年12月3日火曜日

国連・人権勧告の実現を!(チラシのダウンロード)

国連・人権勧告の実現を!(チラシのダウンロード)



2013年12月14日(土)および2014年1月25日(土)に予定されています集会・デモのチラシはこちら(表面)・(裏面)からダウンロードが可能です!ご自由にご利用ください◎

多くの方のご参加をお待ちしています!
 

2013年11月30日土曜日

第3回学習会の報告

第3回学習会の報告

 第3回目の学習会は東京経済大学教員の寺中誠さんによる「差別は禁止できるのか」というタイトルの講演会でした。約40名が参加し、法律・条約と差別禁止の関係について理解を深めました。講演内容の概略は次の通りです。

1 人権勧告とは何か

 差別行為やヘイトスピーチに対しては、国際法上は禁止・規制しなければならないが、日本には取締法や禁止法がない。条約上は、国際人権規約(自由権規約)19条および20条に規定されており、この中で、差別・憎悪の唱道は、表現の自由に対する特別の義務および責任、すなわち規制を伴うものとして明示的に禁止されている。

 また、先日、人種差別撤廃委員会より出された一般的勧告35においては、差別・憎悪の唱道は禁止だが、犯罪化は深刻なものにとどめるべきとし、制限的に適用するよう要請されている。ヘイトスピーチについても、行為それ自体だけでなく、社会的な状況などを踏まえることが要請されており、誰によって発され、どんな効果があったかを踏まえなければならず、形式的には扱えないことも合わせて明示されている。(*「一般的勧告」とは、条約の実施に伴う解釈として、委員会が提示するもの)

 条約と国内法との関係(条約の国内実施)については、日本では憲法98条(最高法規の規定)によって規定されているが、同条によると、国際法は国内法化されることになる。すなわち、国際法と国内法は二元論で別個の独立した存在だが、もともと憲法と条約は適合的(両者が適合しているとみなされる)という前提のため、条約は総合的にすべて国内法に組み入れられることになる。このことは、条約が違憲審査の対象ではないことからも明らか。また、「総合的に」ということの意味は、条約それ自体だけでなく、先に触れたような勧告や宣言、見解や原則、規則など、すべてを含むということ。

 安倍政権の閣議決定にある「法的拘束力がない」「実施義務はない」という点については、確かに形式的には拘束力がないと言い得るが、憲法98条から考えれば、「誠実に遵守」する必要があり、当然に条約上の規定を実現する必要があると考えることができる。

 ただし現実としては、「国家行政組織法」という法律が壁となっており、この枠組みの範ちゅうでないと行政が動けず、条約はこの法律の体系下には含まれないため、条約上の規定が実現されないという状況になっている。

 例えば、明石市において、「婚外子」にかかる違憲判決を受けて出生届の書式を変更した(出生届の婚外子欄を削除した)が、これに対して、法務省が「法令違反」として指導・是正させた。理由は現在の書式に反しているため。明石市は、憲法上の要請に沿って、人権条約を守ったが、法務省が無視し、条約よりも下位の法令レベルで却下されるという事態になった。

2 ヘイトスピーチと差別の規制

 ヘイトスピーチはかねてから表現の自由と衝突すると言われている。この点を整理して考えてみたい。差別規制の方法については、刑事法的規制、民事法的規制、行政的指導と国内人権機関による規制がある。

 刑事法的規制は、差別行為を犯罪として規定し、犯罪を予防し、また保護観察も適用できるようになるなど強力で、警察も動くことができるが、差別行為を具体的・個別的に設定することが困難。

 民事法的規制においては、不法行為(民法709条)として差し止めや賠償請求が可能となる。ただし、侵害された権利を特定する必要があり、また、日本では懲罰的損害賠償の制度がないため、再発防止効果が薄い。

 行政的指導とは、行政府のできる範囲で調整・指導すること。強制調査はできない上、「合理的区別」が認められてしまう点が難点。この点、他国では国内人権機関が積極的に動くことで、機能している。

 また、差別の態様についてもあわせて検討する必要がある。ここでは3つの態様にわける。

 ひとつは差別的攻撃で、京都の朝鮮学校の襲撃事件が代表的な例。第2に、行政での差別的取り扱いで、先に挙げたような行政書式における差別が例としてあげられる。第3は社会内の差別で、いじめや就職差別などが該当する。

3 国際人権基準とのかねあい

 表現の自由は重要な権利だが、そもそも人権は「絶対的権利・自由」と「相対的権利・自由」に分けられることに留意しなければならない。

 「絶対的権利・自由」とは、どんなことがあっても絶対に破られてはいけない権利・自由で、具体的には生命に関わるもの、とりわけ拷問の禁止や人身の自由が該当する。

 この点、自民党の改憲草案では、現行憲法にある「拷問は絶対にこれを禁止する」という条文から、「絶対に」を削除しており、拷問の禁止を相対的権利とすることを意図しているように考えることができる。「絶対に」は単なる修飾語ではなく、絶対的権利であることを宣言した重要な文言。

 「相対的権利・自由」には表現の自由が該当し、他に、知る権利や結社の自由などがあげられる。

 「相対的権利・自由」については他の権利との調整があり得るが、その場合、1立法によること、2目的の正当性・必要性があること、3目的と効果の合理性・因果関係があること、4手段の相当性があること(均衡のとれた手段か、権利侵害のない手段か)という4点が証明されて初めて認められる。すなわち、制限的でなければならないことが求められていると言える。

 現行憲法には「公共の福祉」という概念があるが、立法によっておらず、最高裁の判例と国会における答弁でその内容が明らかになっている。それによると、必要があるとき、合理的な限度で、かつ個別具体的に判断するとされており、手段については問うていないことがわかる。

4 差別は禁止できるのか

 まず、絶対的自由に対するものは刑罰を持って禁止するしかなく、これは人権条約上も明らか。各国の事例では扇動を処罰している(犯罪になるとしている)。範囲については、他人の権利を侵害している場合とし、また、立法の形式については、濫用できないようにする必要がある。

 ただし日本では、他国では認められている集団(属性)の権利は認められていないため、個々人の権利として構成されてしまい、特定の個人でなければ侵害が認められないことになってしまっている。集団(属性)の権利は法定されていないが、訴訟ができれば認められる可能性もある。

 いずれにしても、差別的取り扱いを禁止しても、差別のない社会はすぐには実現しない。各国ではこの点、国内人権機関が動いており、国や行政の監視という機能を果たしている。一方で、日本の法務省による国内人権機関の案は、各国の人権機関においては本来的には付属的な機能でしかない、市民に対する取り締まり機能のみで構成されていた。確かに場合によっては、そうした準司法的な対応もあり得るし、行政的な指導も可能と考えることはできるが、禁止・規制しても社会内の差別は終わらない。

 可能性として検討できるのは身分犯で、公人やメディア、学校の先生など、一定の立場や身分にある人の差別は禁止・規制するという構成。ただし、社内でのセクハラなど、本来的には強制わいせつや侮辱罪に該当するような事例についても、犯罪化できないという事態に至っており、厳罰化の流れが処罰回避をもたらした結果だが、この点は刑事政策的な難しさを内包していると言うことができる。

 「差別禁止は表現の自由と抵触する」というのは神話に過ぎず、両者は全くレベルの異なる問題であることを認識する必要がある。差別については、先ほど例示した差別の態様別に対策していく必要がある。また、注意しなければならないのは、これを作ったから解決すると言ったような万能な解決策はないということ。

 なお、会場との質疑では、身分犯としての規制のあり方について、また、メディアと禁止・規制法制の関係についてなど、議論が深められました。
 

2013年11月1日金曜日

第3回学習会「差別は禁止できるのか」のお知らせ


差別は禁止できるのか

 「○○人は殺せ」「出ていけ」などと連呼するヘイトスピーチ(差別扇動表現)デモが、新大久保などで、相変わらず続いています。安倍首相は国会で懸念を表明しましたが、「法規制が必要なほどの差別扇動はない」という姿勢です。国連人種差別撤廃条約では、批准各国にヘイトスピーチの法規制を求めています。欧州各国などではヘイトスピーチ規制法が整備され、上記のような発言は処罰の対象となります。
 ではなぜ、日本ではヘイトスピーチの規制が実現できないのでしょうか?差別の禁止は、国際人権条約上の義務です。しかし日本政府は、国内法を理由にして実施を怠っています。その殻を打ち破る道を、共にさぐりましょう‼

日 時: 2013年11月14日(木)19~21時(開場18時30分)
講 師: 寺中 誠 さん
     東京経済大学教員
     アムネスティ・インターナショナル日本 前事務局長
資料代: 500円
場 所: 文京区男女平等センター 研修室B(文京区本郷4-8-3 / 3814-6159)
     http://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
      丸ノ内線/大江戸線 本郷三丁目駅 徒歩5分
      三田線 春日駅 徒歩7分
      南北線 後楽園駅 徒歩10分

主 催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会 
連絡先:090-8485-6614(人権共同事務局)

*チラシのダウンロードはこちらから!
 

2013年10月25日金曜日

第2回学習会の報告


「国連・人権勧告の実現を!」第2回学習会報告

第2回の学習会は、IMADR-JCの企画による、「とどろかせよう!アイヌ、沖縄・琉球の声(世界に認められた先住民族の権利をもとに)」でした。会場の松本治一郎会館会議室には、約40人の参加者が集いました。

 最初に、「沖縄と大和(ウチナーとヤマトゥ)ウチナーグチとヤマトゥグチそしてウチナーンチュとヤマトゥ」と題して、琉球弧の先住民族会代表代行の当真嗣清さんから提起を受けました。
 奄美・沖縄・宮古・八重山で成り立つ琉球弧という範囲の中で、その一部からの報告であるという断りがあり、タイトルにあるようになぜ、ヤマトンチュと言わず、ヤマトゥ―としたのか、チュは人を表すのでそれがないということは人でなしということ。ヤマトの差別の酷さを表現しつつ、沖縄でもその内部に差別構造を内包していうことの指摘もありました。
 沖縄差別の例として、各県にある国立高専が沖縄にできたのは2004年、辺野古に、そして沖縄大学院は2011年に名護にやっとできた。日本全土の0,6%しかない土地に74%もの米軍基地が集中し、沖縄全権あげての基地撤去・オスプレイ配備撤回要請建白書を持参しての東京のデモでは、「売国奴」の罵声まで浴びせられ、沖縄の平和教育は思考停止だと、右傾化した教科書が強制されている。
 翻れば、中国残留孤児には年金が支給されたが、沖縄の人々は復帰後、掛け金をまとめて支払わされ、多額の支払いで苦しんだ人もいて、銀行から借入せざるを得なかったこともあった。
 米軍の軍属・兵士はパスポートなしで来日する、5万人もの人が密入国しているのだ。
 TPPでは沖縄のパインは守るといっているが、ほんの一部の産業であり、農家と漁業者の対立を煽っている。
 9月18日はシマクトゥバの日。かつて方言札をつけさせられた経験もあり、公教育で奪われた言葉は公教育で取り戻させたい。9月限定の琉球新報や沖縄タイムスの記事を紹介しながら、ヤマトへの厳しい告発が続きました。

 沖縄選出の衆議院議員、玉城デニーさんが参加されていたので、玉城さんから今、問題になっている八重山の教科書採択について詳しい説明がありました。

 続いて、「先住民族として文化だけではないアイヌ民族の権利回復を」と題して、アイヌ民族評議会会長・北海道アイヌ協会副理事長の阿部ユポさんからお話を聞きました。
 ユポさんは縄文時代からの歴史の中で、狩猟生活から渡来人によって農耕生活が定着し、人種の二重構造ができたこと、九州から大和を支配した大和朝廷が先住民族アイヌを蝦夷(エビはゆでると赤く丸くなることから卑屈な姿勢を表現)と称し、征夷大将軍を派遣して北の地に追いやり、やがて明治になり、アイヌを旧土人と称する「旧土人保護法」を作り、創氏改名、アイヌ語もアイヌ文化である女性の入れ墨も禁止した。
 アイヌは元来個人所有をしないが、実質的にアイヌが居住し、利用していた土地を「無主の地」として奪われた。日本人には開拓時に一人33haの土地を与え、狩猟を禁止されたアイヌは餓死者も出すようになってやっと一人5haの土地が与えられた。
 「アイヌ文化振興法」が制定されたが、文化の伝承を教室で習得してもそれを使う場ができていない。奪われた土地はすでに民間のものとなってしまったので、せめて入会地はアイヌの土地として返してほしい。
 アイヌからの要請として、教育・文化の回復、アイヌ出身の特別議員を選出する、民族自立化基金を設立する、アイヌの権利回復のために審議会を設置する、などの具体的要請を上げられました。

 二人の報告を受けて、市民文化センター代表の上村英明さんから、コメントがありました。
 いかに国連勧告を実現させるかという観点から、戦後日本社会が多数決原理に基づく普通の人重視の中で、個性ある人々が排除されてきたことを考えるべきだ、不公正・不正義社会の現実をチェックしようと発言されました。そして、中央と辺境という視点を持って活躍したアメリカのアンドリュー・ジャクソン(5ドル紙幣にあるひと)は初の開拓者の子孫として政府のトップになったが、教育の普及に努め、アメリカの民主化に貢献したと同時に、インディアンを虐殺したことも忘れてはならない。琉球やアイヌが決めたことをヤマトは妨害するな、民族の自己決定権を尊重することが日本社会の多元化も実現する、とまとめられました。

 会場とのやり取りもいろいろありましたが、アイヌの言語を取り戻すことについて、ユポさんの娘さんが朝鮮学校について大学で研究していて、奪われた言語を取り戻すために学校を作ってきた朝鮮学校の歴史、実績はアイヌについて大きな示唆を与えてくれるものだと言われたことは、この学習会で学習していることがつながっているという実感がわくものでした。
 

2013年10月5日土曜日

第2回学習会「とどろかせよう! アイヌ、沖縄・琉球の声 世界に認められた先住民族の権利をもとに」のお知らせ


国連人種差別撤廃委員会日本審査に向けた
STOP!レイシズム なくそう!日本の人種差別 集会シリーズ

とどろかせよう!
アイヌ、沖縄・琉球の声
世界に認められた先住民族の権利をもとに

2007年、先住民族の権利に関する国連宣言が採択され、翌年には日本政府がアイヌ民族を日本の先住民族と認めました。現在アイヌ文化の保護促進の取り組みがなされているものの、民族の権利回復は遅々としてすすんでいません。また、「沖縄/琉球民族は先住民族だ」という主張に関して、日本政府は国連の勧告にもかかわらず、認めていません。日本の先住民族が抱える問題を、先住民族権利宣言や人種差別撤廃条約など国際的な人権基準から見るとどのように見えるのでしょうか。来年秋には、国連本部で特別総会として世界先住民族会議が開催されます。北海道と沖縄から、長年国連でそれぞれの権利を訴えてきたお二人を招いてお話を伺い、その声に連なり、広くとどろかせていく集会にしていきたいと思います。どなたでも参加できます。お気軽にご参加ください。

日時:2013年10月21日(月)午後6時半~8時半
場所:松本治一郎記念会館5階会議室(東京都中央区入船1-7-1 )
    http://imadr.net/about/access/
地下鉄日比谷線、JR京葉線・八丁堀駅 A2出口より徒歩3分
地下鉄有楽町線・新富町駅 5番出口より徒歩7分

内  容:
司会 木村真希子(市民外交センタ―副代表)
〇先住民族として文化だけではないアイヌ民族の権利回復を
  阿部ユポ(アイヌ民族評議会会長・北海道アイヌ協会副理事長)
〇沖縄と大和(ウチナーとヤマトゥ)ウチナーグチとヤマトゥグチそしてウチナーンチュとヤマトゥー
  当真嗣清(琉球弧の先住民族会代表代行)
〇コメント 上村英明(市民外交センター代表)
〇質疑応答・意見交換

参加費:500円(主催団体会員、学生無料)
主  催: 人種差別撤廃NGOネットワーク、アイヌ民族評議会、琉球弧の先住民族会(AIPR)
     市民外交センター、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
賛  同:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会
連絡先:反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)  104-0042東京都中央区入船1-7-1
     Tel:(03)6280-3101 Fax:(03)6280-3102 Eメール:yhara[at]imadr.org (原)