4、琉球・沖縄の軍事基地化問題
青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
2007年、国連による「先住民の権利宣言」が採択されてから15年、2008年以来、自由
権規約委員会や人種差別撤廃委員会などから何度も琉球・沖縄の人々に対する「先住民族
としての権利や文化など認め保護するように」との勧告が出されています。2010年には「
基地の集中は現代的民族差別」の勧告にも日本政府は「基地の集中は地政学的な安全保障
上の問題で差別ではない」とシラを切っています。
1897年に約450年の歴史を持つ琉球国がヤマト民族に滅ぼされ「沖縄県」にされて以来
、徹底した皇民化教育がなされ、日本防衛のため防波堤とされ4人に一人が犠牲になると
いう沖縄戦、その後、天皇制存続のために昭和天皇は「26年ないし50年、米軍による支配
が日米の利益になる。多くの国民は反対しないだろう」の言葉のように、米軍に差し出さ
れ、今日まで続く軍事植民地の沖縄の姿があります。米軍は信託統治さえ拒否し、沖縄を
自由使用しました。
日本は国連の勧告に対し「先住民族はアイヌ民族だけ」であり、さらに1879年の「琉球
併合」にしても「定かなることはいえない」と主張し「沖縄・琉球の人々は先住民族であ
る」という国連勧告を否定してきました。
米軍による事件・事故・性暴力に苦しむ沖縄に対し、2024年の女性差別撤廃委員会が選
択的夫婦別姓などとともに「沖縄の女性への暴力を防止し、適切な加害者を処罰する仕組
みを講じ、2国間の軍事合意の交渉などに女性の代表も参加させるように」との勧告をだ
しました。沖縄の女性たちが少女暴行事件など続発する性暴力への実態を国連に訴えて出
されたのです。基地集中は差別の根拠であり、辺野古新基地建設についても懸念を示し「
琉球・沖縄の人々と話し合うように」と勧告を出していますが、日本政府は工事を強行し
ています。
国土0.6%の沖縄に70%以上の米軍基地を置き、その上、自衛隊の基地が島々に建設さ
れ、現在、司令部の地下化や強靭化など日米のよる軍事要塞化が急ピッチで進み「与那国
・石垣・宮古」の12万人の人々を1週間で九州・山口県への避難計画も出されています。
民間インフラ含めて「中国敵視」の実戦訓練が実施され、戦争の最前線です。日本の防波
堤とされた先の沖縄戦のように再び沖縄を戦場にしてはなりません!琉球・沖縄の人々も
安心・安全に生きる権利があります。多くの仲間と連帯し日本政府は国連勧告を誠実に取
り組み、沖縄の先住民族としての権利を擁護し、軍事植民地支配をヤメロと声をあげてい
きましょう。
青木初子