3、日の丸・君が代強制反対
田中聡史さん(日の君裁判原告)
東京都立の特別支援学校で教員をしている田中聡史です。
私は、教員という仕事を通じて、差別のない社会、誰もが平和に生きることのできる社会を作
りたい、と願ってきました。
2003年に発出された「10・23通達」に基づく校長からの職務命令は、私にとって耐えがたい
ものでした。卒業式・入学式において、「日の丸」に向かって起立し、「君が代」を斉唱せよ、
という職務命令です。
これらの旗や歌は、日本政府によるアジアに対する侵略戦争や植民地支配のシンボルです。「
君が代」斉唱時に、「日の丸」に向かって起立し、敬意を表すという所作は、私にとって、平和
に生きる権利を否定し、民族差別を肯定する行為なのです。
私は、卒業式・入学式に参列した際、私の歴史観と良心とに照らして、どうしても「君が代」
斉唱時に起立斉唱することはできませんでした。その結果、職務命令違反で懲戒処分を受けまし
た。
私は、5件の減給処分と2件の戒告処分の撤回とを求めて、都立高校の教員らとともに2021年
に「東京『君が代』裁判第五次訴訟」を提訴し、今年7月、東京地裁で判決が出されました。
私に対する判決は、減給処分5件のみを取り消す、という部分勝訴でした。戒告処分は取り消
されず、「10・23通達」は違憲である、という私達の主張も認められませんでした。 私たち
原告は、高等裁判所に控訴しました。全ての処分の取り消しと、「10・23通達」の撤回を求め
て、高裁で争います。ぜひご注目ください。
10月26日には、「学校に自由と人権を!10・26集会」が、日比谷図書文化会館で開催されま
す。また11月21日には、「セアート勧告と東京の教育」という集会を、都議会棟の2階会議室に
て行います。
今年は、第二次大戦終結から80年になります。しかし、今なお、世界で多くの人々が戦争によ
って傷つき、苦しんでいます。そのような現実の中で、私たちは誰もが平和に生きることの出来
る社会を作ることを目指しましょう。そのためにはどうすれば良いのかを考え、共に学び、行動
しましょう。