2022年12月18日日曜日

第10回 国連・人権勧告の実現を!  ドキュメンタリー上映&トーク「ワタシタチハニンゲンダ!」 監督が語る日本の外国人差別の実態

 ドキュメンタリー上映 & トーク「ワタシタチハニンゲンダ!」

監督が語る日本の外国人差別の実態

 第10回 国連・人権勧告の実現を!




 毎年「世界人権デー」の前後に行われる今年の集会は、多くの国会議員の参加と共闘を願い、2日後に閉会を控えた参議院議員会館で行った。

 集会開会の挨拶に続き、30分に短縮した上映は、植民地時代に強制連行した在日朝鮮人への差別が、現在のニューカマーの外国人へ引き継がれていることを如実に伝えた。


【基調講演「日本の外国人差別の実態」】 

高賛侑さん(「ワタシタチハニンゲンダ」監督)

日本は、国家自らが差別をしている

 この映画の制作期間は2年弱と短いが、それまでには長い年月がある。在日朝鮮人2世でひどい差別を受けたみじめな少年時代だったが、高校3年生のとき朝鮮大学校を知り、そこで学び、アイデンティティをもつことが出来た。

 日本ではこんなに差別があるが他の国はどうだろうと思い、1988年に中国へ行った。共産国だが、朝鮮族の学校があり朝鮮語を話していて、びっくりした。

では資本主義国はどうだろうと、1991年にアメリカ、ロサンゼルスの世界最大のコリアタウンへ行った。50~60年代の黒人の運動で、1964年に公民権法が成立しており、そこはソウルとほとんど変わらない状況だった。

 次に行ったのが、旧ソ連のカザフスタンだった。1937年のスターリン時代に沿海州から16万人が強制連行されたが、1986年にゴルバチョフのペロストロイカがあり、1989年にソ連最高会議で、強制移住は非合法だったと謝罪がされた。

 この3つの国を尋ねて発見したのは、日本では、外国人差別をしているのが国家自らで、それはきわだって異常だということだった。

民族教育差別は、最も大きい

 次に、日本に住む外国人について調べた。朝鮮人だけでなく、他の外国人へも同じだ。労働など多くの差別は「日本人と同じようにしろ」という要求である。特に問題なのは「民族教育」で、朝鮮人としてのアイデンティティを求めるものである。2010年高校無償化制度が始まったが、朝鮮高校のみが対象外とされ、自治体も補助金を停止した。各地で裁判を起したが、大阪以外はすべて敗訴。裁判所も差別政策を追認した。

 こんな中でつくったのが、2019年のドキュメンター映画「アイたちの学校」である。これはキネマ旬報文化映画ベスト・テンとなり、日本映画復興奨励賞等を受け、アメリカ、ドイツ、オーストラリア等でも上映された。

日本の外国人全体の問題だ

 一昨年から、外国人全体の問題をやらねばと考えたが、日本人は外国人に関心がないので観る人がいないのではないかと思った。スリランカのウィシュマさんの入管での死亡事件をきっかけに、世論は高まり入管法改定案は廃案になった。画期的な変化が起き、本格的な取材を始めた。技能実習生、難民の取材、未公開映像の入手も出来た。

 この映画では、韓国併合からの100年の歴史、現在の日本にいる外国人問題を扱った。収容所で39日のハンストをした人。壁に頭をぶつけて10回の自殺未遂をしたが壁がコンクリでなく板だったので死ねなかった人…。インタビューを思い出し、監督は声を詰まらせた。一つの差別をする人は、あらゆる差別をする。逆に一つの差別をしない人は、あらゆる差別をしない人だ。多くのテーマを扱って構成が大変だったが、記録に残すことは大切。

 技能実習制度の実態は、奴隷労働。多額の借金をして国を出ている。デートしたら解雇、妊娠したら解雇と言われても、国には、帰るに帰れない。難民認定は1%以下、無期限の入管収容、仮放免、就職禁止、住民登録不可、再収容の恐怖、多発する死亡、踏みにじられる難民の人権。

 見ていてつらい実態が映し出されるドキュメンタリーは、4月完成、5月公開。各地で、自主上映が増えているのは嬉しい。弁護士会でも上映活動がすすめられている。有志等の協力でアメリカ、ドイツ、韓国でも上映企画が進められている。

 国は次期国会に、「入管法改定案」を提案するかもしれない。共に闘っていきたい。


【特別報告(1)入管法改悪を許さない】

小堀百花さん(外国人労働者・難民と共に歩む会)

 大学生が多いが、高校生、市民たちで、入管へ面会に行く活動をしているグループです。名古屋入管に申し入れ、収容しないで仮放免を要求をしたら、牛久の入管に移されただけというのが、入管の現状。

 2月16日に院内集会を行い、ウィシュマさんのビデオの全面公開を要求した。5時間にまとめて公開するというが、医療問題にのみ矮小化している。

 未成年の仮放免者は300人いる。日本で生まれた収容者もいて、帰るところはなく日本にしかいられない。強制送還では解決しない。すみやかにビザを出すべきだ。入管行政、在留資格の抜本的改正が必要。


【特別報告(2)クーデター後のミャンマー人への人権侵害をめぐって】

渡邊さゆりさん(マイノリティ宣教センター)

 ミャンマーで軍事クーデターがあった2021年2月1日以降、大使館で働いていた1等書記官ほか数名の大使館職員がCDM(市民不服従運動)を表明し、無職になった。書記官はさりげなく大使館を出て、仲間に保護された。ミャンマー代表サッカー選手は、マスコミなどで報道されCDM表明後、難民認定が早急になされた。一方、名前の出せない2名の女性職員は身を隠した。日本政府が交渉しているのは、ミャンマー軍評議会。

 在日ミャンマー人の難民認定申請中の人は2944人。2021年はコロナの影響で、全体で申請者は40%減っているが、50ケ国の612人の申請者中25%がミャンマー人。全体で前年の27人増の74人が難民認定を受け、そのうち32人がミャンマー人。

 日本政府は暴力で支配する国軍を支えないで欲しい。根本的な外国人差別意識が政策を下支えしている。人道的支援、人権擁護が必要。


【特別報告(3)なぜここまで朝鮮学校の子どもたちを差別するのか】

 宋 恵淑(ソン ヘスク)さん(在日本朝鮮人人権協会)

 北朝鮮のミサイル発射に対して、北区十条の朝鮮学校の男子生徒に対して、50代の男が、「日本にミサイルを飛ばすような国が、高校無償化なんて、言ってんじゃねーよ」と足を踏みつけ言った。日本政府は「拉致問題があったから、高校無償化からはずす」と言った。政府自らが、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムをするから、市民も同じことをする。

 10月に人権規約委員会勧告が出た。高校無償化問題では6度にわたる勧告だ。委員会に何度も足を運んでいるが、委員から「まだ差別が続いているのか!」と驚かれた。


【集会アピール 行動提起】

 行動提起は、朴金優綺(パクキム ウギ)さん。

国連の勧告は発展しているが、日本は「勧告に従う必要なし」の閣議決定で、全然進まない。日本国憲法98条2項には「日本が締結した条約は、…これを誠実に遵守する」とある。これを守ればいい。過去から現在に繋がる差別を、私たち市民が国連人権勧告をツールにして、差別を止めさせ、人権を確立しよう、と力強く提起した。

集会の参加者は120人だった。

(まとめ 高木)

2022年11月1日火曜日

第10回 国連・人権勧告の実現を! ドキュメンタリー上映&トーク「ワタシタチハニンゲンダ!」 監督が語る日本の外国人差別の実態

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第10回 国連・人権勧告の実現を!

ドキュメンタリー上映&トーク「ワタシタチハニンゲンダ!」

監督が語る日本の外国人差別の実態

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 人間は出自に関わりなく、人権を保障されるべき存在です。しかし、入国管理施設での虐待、国際的には人身売買と批判されている技能実習生制度、高校無償化制度からの朝鮮学校の排除などの実態を見てゆくと、日本において人権は誰もが生まれながらに保障されている権利ではなく、日本国民の特権ではないかと思われる現状が続いています。


 昨年3月、名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさんは自身の体調不良を訴え続けていたにも関わらず、適切な治療を施されないまま亡くなりました。ウィシュマさんの遺族が「真相や責任の所在が明らかにされていない」として、国に賠償を求めた裁判が現在係争中です。また、茨城県牛久市の入国管理センターに収容されていたカメルーン出身の男性が死亡した事件では、今年9月、水戸地裁の判決で、国の賠償責任が認められました。私たちは、この臨時国会にて、政府がウクライナ危機を根拠に、避難民保護とは関係のない難民の送還停止の制限など問題のある入管法「改正」案を再度提出しようとしていることに強く抗議します。


 私たち、「国連・人権勧告の実現を!実行委員会」は、様々な人権問題に取り組む個人や団体が、連帯して活動しています。毎年12月10日の「世界人権デー」前後に、大きな集会とデモを行っています。


 今年は、12月8日(金)、永田町の議員会館にて、日本社会の外国人差別を告発したドキュメンタリー映画「ワタシタチハニンゲンダ!」の短縮版を上映し、監督、高賛侑(コウ・チャニュウ)さんのお話を伺います。日本に暮らす外国人が「私たちは人間だ!」と訴える必要のない社会を築くために何をすべきかということを国会議員の皆さんと共に考えます。是非、ご参加ください。


 ◆日時 2022年12月8日(木)16:00スタート(通行証配布は15:30より)


◆場所 参議院議員会館 講堂


 ◆プログラム


◎「ワタシタチハニンゲンダ!」ダイジェスト上映


◎基調講演「監督が語る日本の外国人差別の実態」(高賛侑監督)


 【高賛侑監督プロフィール】

~1947年生まれ。朝鮮大学卒業。文芸活動に従事し月刊誌「ミレ」編集長を経て、現在はノンフィクション作家。国際高麗学会会員。諸大学の非常勤講師。部落解放文学賞受賞等受賞。長編映画「アイたちの学校」は第37回日本映画復興奨励賞受賞など多数受賞し、海外でも上映された。「ワタシタチハニンゲンダ!」は長編2作目の作品。


◎課題別報告

①「入管法改悪を許さない」小堀百花さん(外国人労働者・難民とともに歩む会)

②「クーデター後の在日ミャンマー人への人権侵害をめぐって」渡邊さゆりさん(マイノリティ宣教センター共同主事)

③「なぜここまで朝鮮学校の子どもたちを差別するのか」宋恵淑さん(在日本朝鮮人人権協会事務局)

◆賛同のお願い

本実行委員会は、様々な人権課題に取り組む個人や団体が連帯して活動しています。日本社会の人権課題は改善されるどころか、むしろ後退している状況です。人権意識の向上のため、世論に訴えていくことと誠司を動かすことが大事です。ぜひ皆さんの賛同と集会への参加をお願いします。

◎賛同者・賛同団体は賛同金の納入によって確定します。

◎賛同金は一口1,000円です。団体はできるだけ複数口お願いします。


【振込先】

-加入者名 国連人権勧告実現

-ゆうちょ銀行から 振込口座 00100-6-264088

-ゆうちょ銀行以外から 019支店 当座 0264088

*振込手数料はご負担くださいますようお願いいたします。賛同締め切りは11月25日までとします。賛同いただいた方のお名前を当日プログラムに掲載しますが、掲載を希望されない方はその旨お知らせください。


◆主催・問合せ

国連・人権勧告の実現を!実行委員会

E-mail:jinkenkankokujitsugen@gmail.com

URL:http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/

Tel:090-9804-4196(長谷川)

2022年8月14日日曜日

デモでアピール!!国連人権勧告を実現させよう


  ご存じですか。2013年6月、日本軍「慰安婦」問題をめぐり、国連の勧告を守るように要請した国会議員の質問趣意書に対して、当時の安倍政権は「国連人権勧告に従う義務なし」と閣議決定をしたのです。日本は様々な国連の人権条約を批准しながら、国内法の整備をせず、差別をなくすための多岐にわたる勧告を受けてきましたが、義務を果たすことなく、人権劣化を招いています。

 日本軍「慰安婦」問題、朝鮮学校差別、女性の人権、アイヌや部落差別の解消、ヘイトスピーチ問題、近くは、選択的夫婦別姓の実施促進、死刑制度廃止、性的マイノリティへの差別など、たくさんの勧告を無視し、差別を放置し続けています。

 2013年8月に人権多くの団体が集まり結成した「国連・人権勧告の実現を!実行委員会」では、毎年12月10日の「世界人権デー」前後には大きな集会とデモを行ってきました。

 この間コロナの影響で、会場の問題もあり、デモができない事が続きましたが、もう我慢できません。昨年起きた名古屋入管でのウィシュマ・サンダマリさんの死亡によって入管体制の非人道的な対応が明らかになりました。多くの人たちの反対で前国会で廃案になった入管法「改定」案を、政府はこの秋にも再度を提出する予定です。

 これ以上、人権問題を悪化させてはなりません。皆さんとともに、デモでアピールしていきましょう。

 

◇日時 2022年9月25日(日)

14:00 ミニ集会でリレートーク

14:30 新宿駅周辺をデモでアピール

 

【リレートーク】7~8人くらい各3分くらいの予定

【準備】各団体や個人が、幟やプラカを用意して持参してください。主催者の幟も多数あります。

【お願い】

①コロナの感染が拡大しています。状況によっては計画が変わることもあります。ホームページ(国連人権勧告実現で検索)や下記連絡先までお問い合わせください。

②リレートークで発言したい方は、9月18日(日)までに下記までお申し込みください。最終調整は主催者が行います。

 

◇主催・問合せ 国連・人権勧告の実現を!実行委員会

090-9804-4196(長谷川)


2021年12月30日木曜日

第9回 国連・人権勧告の実現を! ~なぜこんなに冷酷なことができるのか? 外国人の人権からみた日本~ 集会の報告

国連・人権勧告の実現を!

~なぜこんなに冷酷なことができるのか? 外国人の人権からみた日本~

     2021年12月10日 世界人権デーに 参議院議員会館にて 14:00~16:30

集会の報告


 問題の多い日本の入管政策に影響を与えたい!と2021年は、参議院議員会館で行った。当日配布の資料の中には、これまでで最多の国会議員30名から送られたメッセージを掲載。参加者172人は、アメリカ国務省から「人身売買と闘うヒーロー賞」を受賞した指宿弁護士の基調報告と、2人の特別報告を熱心に聞き入った。


一、基調講演 指宿昭一弁護士

[なぜこんなに冷酷なことができるのか?-使い捨て外国人 人権なき移民国家 日本]

指宿弁護士は、いま外国人住民は約300万人、外国人労働者は200万人に迫る時代となり、彼らは私たちと共に、日本社会を支えているのですと話し始めた。


名古屋入管スリランカ人女性死亡事件

 スリランカで英語教師をしていたウィシュマさんは、1917年6月に留学生として入国。同居のスリランカ男性からのDVで、日本語学校に行けなくなり除籍となり、2019年1月在留資格を失った。

2020年8月警察に出頭。DV被害者としての保護ではなく、不法滞在者として名古屋入管に収容された。当初帰国予定だったが、同居男性からの「帰国したら、探し出し罰を与える」の脅迫状に恐怖を覚え、在留希望に転じた。同居男性も不法滞在で、逮捕された。

 収容中に体重は激減し、2021年2月15日の検査結果では、「飢餓状態」のかなり危険な数値が出たが放置された。3月4日には、外部の精神科を受診させたが、入管は医師に「詐病の疑い」と伝えた。医師は「仮放免すれば良くなる」と文書を書いた。3月5日には脱力状態となり、3月6日に死亡。病院に緊急搬送された時には、すでに死亡していた。体重は、収容時から21.5kg減少していた。このどこかの時点で救急車を呼べば、助かっていたかもしれない。入管の医療体制は、非常勤の医師が週2回2時間くるのみであり、入管が決めた範囲でしか医療をさせず、国家権力が医療を牛耳っている。

 2007年から収容中の人が、17人亡くなっている。このうち5人は自殺である。

 ウィシュマさんの亡くなる週間前からのビデオがあるが、遺族にはほんの少ししか見せていない。指宿弁護士もほんの少しだけ見たが、衰弱していく様子がよくわかる。呻き声が叫び声になり、最後には泣き声になっていった。

 いま名古屋入管を未必の故意の「殺人罪」で、告訴している。


入管政策の根本的問題

 入管の管理政策は、戦前の植民地政策に根源がある。侵略拡大の中で、植民地出身者の韓国や中国の人々を徹底して管理した。

 植民地を開放するとき、旧宗主国に居住する旧植民地出身者に対しては、国籍選択権や居住権を与えることが多い。しかし日本では、国籍選択権等を与えず、一方的に国籍を奪い、外国人を危険人物として治安対策の対象としてきた。戦争責任をあいまいにしたまま、入管は「外国人を敵視し、徹底して管理する」という政策を維持している。

 大きな問題は、原則「全件収容主義」の入管収容である。刑罰ではない「収容」は、本来、強制送還の準備のためのものであるのに、帰国すると言わせるための拷問として使われ、裁判所などの第三者のチェックはなく、入管の裁量で行われ、無期限である。

 今年入管法改悪(案)が国会に提出された。難民申請中の人には、強制送還はできない。これを2回までの申請はいいが、それ以上だと強制送還できるようにし、強制送還に応じないことを犯罪として処罰するという(案)であった。これを廃案にしたのは若者たちを中心とした市民運動、そしてウィシュマさんの事件で遺族が声をあげたことも大きかった。しかし、再び提案される恐れがある。


熊本ベトナム人技能実習生孤立出産事件

 ベトナム実習生のリンさん(20歳)が、2020年11月15日双子を死産した。遺体をタオルを敷いた段ボールに入れ、上からさらにタオルをかけ収めた。名付けた名前、謝罪の言葉、「天国で安らかに眠って下さい」と書いた手紙を遺体の上に置いた。連れて行かれた病院で医師に死産を告知。19日までの入院後、警察に死体遺棄で逮捕された。

 技能実習制度は、「技術移転を通じた国際貢献」と日本政府は言っているが、安価な労働力の確保のための制度であることは明らか。職場移動の自由がなく、3年間は同じ職場で働く。恋愛、結婚、妊娠、出産の禁止。違反すると、「強制帰国」させられる。セクハラ、パワハラもある。残業時給は、最低賃金法違反の300円、家賃や諸経費を引かれ、手取りは3~4万円ということもある。ベトナムの年収は25万円ほどだが、その4倍の100万円を渡航前にベトナムのブローカーに払う。日本では監理団体(事業協同組合等)が受け入れ、実習実施機関(各企業・農家)から、一人の実習生につき、3~5万円の管理費を徴収する。まさに、現代の奴隷制と言われる。

 指宿弁護士は、「人身売買と闘うヒーロ―賞」を受賞した世界の8人とZoom会議を行った。その際、「日本は人身売買の被害者を、犯罪者として処罰する国ですね」と言われ、つらかったと話し、技能実習制度は廃止すべきであると明言された。

 おわりに 

 「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」(スイスの作家マックス・フリッシュ)。そして、「イスラム教徒を含む移民や難民も我々社会の一員だ。彼らは私たちなのです(They are us)」(ニュージーランドのアンダーソン首相)の2人の言葉を紹介。受け入れる外国人の人権保障の必要を強調された。


二、課題別報告

【1、国際基準からみた入管法改悪問題 鈴木雅子弁護士】


日本国籍を有しない人の出入国在留

 日本の裁判所および政府の考え方は、40年以上前のマクリーン判決{最高裁大法廷判決

昭和53(1978)年10月8日}を今も維持している。その内容は、「国際慣習法上、国家が外国人を受け入れる義務を負うものではなく、当該国家が自由に決定することができる」から「外国人に対する憲法の基本的人権の保障は…外国人在留制度のわく内で与えられているにすぎないものと解するのが相当」というもの。

マクリーン判決当時、日本は国際人権条約を一つも批准していなかった。その後日本が条約を批准し、これらの条約が外国人の出入国在留に関する処分にも適用されることは明らかになっている。それにも関わらず、裁判所はこれを頑なに認めず、入管の暴走を許している。国内の救済手段をつくしてもなお救済されない場合、個々の事件につき人権条約に違反しているか否かについて、条約ごとに定められた個人通報制度を利用して国際人権機関の判断を得る仕組みがある。しかし日本は個人通報制度を一つも受け入れていない。

出入国在留に関する処分について問題となる国際人権法上の原則として、①送還禁止原則、②非差別原則、③私生活の尊重、家族統合、④子どもの最善の利益原則、⑤恣意的収容の禁止などがある。しかし日本は、それらがないがしろにされている。


入管収容の問題

 日本の裁判所と政府の考えは、恣意的拘禁原則といわれ、退去強制手続きの対象者は収容される原則である(原則収容主義、全件収容主義)。収容は、最後の手段あるべきである。

 国際人権法から検討すると、自由権規約等で、恣意的拘禁は禁止されている。

 鈴木弁護士からも、今後再提案されると予測される入管法「改正」(案)について、実務上現在より悪化の恐れあると、問題提起された。


【2、国際人権基準からみた朝鮮学校差別 朴金優綺さん】

 在日本朝鮮人人権協会事務局の朴金さんは、朝鮮学校は日本敗戦直後、在日朝鮮人が奪われた言葉、文化、歴史、アイデンティティを取り戻すため「国語(朝鮮語)講習所」を作ったのが始まりと話し始めた。日本政府は70年以上にわたり一貫して朝鮮学校を弾圧しており、コロナ禍における問題に限ってみても、2020年3月にさいたま市がマスク配布対象から朝鮮学校幼稚園を除外。これは撤回された。同年5月に、文部科学省が「学生支援緊急給付金」制度の対象から朝鮮大学校の学生を除外。これは継続している。

 国連では、人権高等弁務官事務所、国際人権条約、人権理事会の3つが有機的に作用し、各国の人権状況の是正に努めている。

 上記の「学生支援緊急給付金」制度からの朝鮮大学校除外問題の件で2020年6月、国際人権NGO「反差別国際運動(IMDAR)」が、国連の①教育、②移住者、③マイノリティ、④人種差別の4名の特別報告者に申し立てた。2021年2月に、同4名の連名で共同書簡が日本政府に出された。その内容は、「社会権規約・人種差別撤廃条約を含む国際人権法上の日本の義務を遵守していない」「朝鮮大学校のマイノリティの学生を差別している。自らの国民的、民族的、文化的、言語的アイデンティティの促進を手助けする教育へのアクセスをさらに危うくする」等とある。日本政府の回答は、日本人、外国人を問わず対象機関に通えば受給資格があり、差別に当たらないとした。しかし、外国にルーツを持つ学生たちが通う高等教育機関の中で、外国大学日本校や日本語教育機関は対象とする一方、在日朝鮮人の学生が通う朝鮮大学校だけが、対象外とされていることが問題である。

 この問題について、ある朝鮮大学校学生は「これは、金銭の問題ではなく、尊厳の問題です」と訴えた。

 朴金さんは、国際人権基準に沿った政策の実現の実施を求め、歴史の不正義を見過ごさず、共に声を上げて欲しいと強く呼びかけた。


 最後に、集会アピールが読み上げられ、参加者一同で承認した。参議院会館で行なった集会だが、丁度本会議と重なり議員は参加出来ず、秘書7名の参加があった。閉会間近に、「いま本会議が終わった」と福島みずほ議員が駆けつけ、連帯の挨拶を元気よくして頂いた。


                              (まとめ 高木澄子)

2021年10月12日火曜日

第9回 国連・人権勧告の実現を!集会 「なぜこんなに冷酷なことができるのか?外国人の人権からみた日本」

国連・人権勧告の実現を!

~なぜこんなに冷酷なことができるのか? 外国人の人権からみた日本~




 2021年3月6日、スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管の収容施設で亡くなりました。ウィシュマさんがDV被害や体調悪化を訴えていたにもかかわらず、適切な救済措置を講じず収容施設に閉じ込め続け、結果的にウィシュマさんの命を奪ったあげく、現在も監視カメラ映像の全面開示を拒んでいる入管行政。外国人を単なる使い捨ての労働力とみなし、人間として尊重しないその姿勢は、日本が他国を植民地支配し、侵略戦争を行っていた時代と地続きのものといえます。

 こうした入管体制問題の根本はどこにあり、国際人権基準といかにかけ離れているのか。コロナ禍の中でさらに露呈した、国際人権基準に背いて外国人の人権を侵害し続ける日本政府の問題を、世界人権デー(12/10)を記念して考えたいと思います。

 ぜひ奮ってご参加ください。


● 日時 2021年12月10日(金)

      13:30 開場

      14:00 集会スタート


● プログラム

1.主催者挨拶


2.基調講演 指宿昭一さん(弁護士)

 ~なぜこんなに冷酷なことができるのか?~

 ―使い捨て外国人 人権なき移民国家 日本―


3.課題別報告

 ① 鈴木雅子さん(弁護士)

  「国際人権基準からみた入管法改悪問題(仮)」           

 

 ② パク・キム・ウギさん(在日本朝鮮人人権協会)

  「国際人権基準からみた朝鮮学校差別問題」

  

● 会場 参議院議員会館 講堂


● 参加費・資料代 無料



● 主催 国連・人権勧告の実現を!実行委員会

・問い合わせ 090-9804-4196(長谷川)

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