2017年12月6日水曜日

わたしたちの声を国連へ~活用しよう!国連の人権保障システム~ 賛同者・賛同団体の一覧

わたしたちの声を国連へ~活用しよう!国連の人権保障システム~
賛同者・賛同団体の一覧



(2017年12月17日現在)


■個人(134人(うち匿名希望1人))

匿名希望
阿南愛
荒牧重人
新井史子
伊藤文美  

岩崎わか  
岩村義雄
岩木俊一  
石井恒司  
石下直子  

石川美紀子  
池原毅和  
池上明 
池田幹子  
池田幸代

元玉淑
上野香  
内山貴夫
榎本みつ枝  
岡崎洋子  

岡田良子
小幡詩子
小野達雄
太田哲二  
大塚康高  

大野圭子
大野和興  
尾澤邦子  
加藤良雄
賀谷恵美子

亀永能布子
亀山輝美  
金森史明
軽部哲雄  
神尾康冶  

川浪寿見子
喜多明人
京極紀子  
金俊一
金東鶴

金容星  
木下貴美子  
木村葉子
黒田恵  
近藤徹  

小林英三  
小林信次
佐々木克己  
佐野通夫  
最首悟

斎藤紀代美  
坂内義子
坂本繁夫
志村洋子  
慎民子

申嘉美
申静子
清水孝一  
瀬戸大作  
高橋秀典

高瀬道男  
高木澄子  
高野ゆう子
高梨晃嘉  
谷口滋

竹下忠彦
田中宏  
田中泉
田中聡史  
立川秀円

寺尾光身  
出原昌志
外山喜久男
徳永恭子  
冨田杏二  

永井よし子  
永山富子  
永田浩三
中島良和
中野宣子  

西村直子
西中誠一郎  
丹羽雅代  
野村修身
野村民夫

野平晋作
花輪紅一郎
原田収  
長谷川和男
萩谷孚彦

林知子  
林明雄  
林立彦
日暮かをる  
樋ケ守男 

樋ケ美佐子  
平野昌美
黄正利
藤原立子
福喜多昇  

福田文昭
細野かよこ
堀純   
松井英介 
松井和子  

松野哲二
宮村博
宮本成美
三木容子
三輪佳子

村上敏
村田尚子  
武者小路公秀  
森本孝子  
森脇栄一

毛利勇二
安川寿之輔  
安田信子  
山城由紀江  
八木真菜

矢野恭子  
矢野秀喜
柚木康子
横尾澄子  
吉田桂子  

與芝豊
笠優子
梁永山聡子
梁裕河
渡辺吉男  

渡辺厚子
渡辺保雄  
和田周  




●団体(60団体)

ARP(Anti-Racism-Project) 
ATTACJpan(首都圏)
JFOR日本友和会(IFOR日本支部)
アイヌ・ラマット実行委員会
アジア女性資料センター

アジェンダ・プロジェクト
「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク
エラスムス平和研究所
沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会
女たちの戦争と平和資料館・wam

カチカジャ!いばらき
関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会  
川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会
外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉  
草の根工房  

グループシサムをめざして(首都圏)  
「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会_
個人情報保護条例を活かす会(神奈川)
国際人権活動日本委員会  
国連に障がい児の権利を訴える会 

子どもと女性の人権を考える東京の会  
子どもの権利条約ネットワーク
子どもの権利条約を読む会
子どもの権利条約総合研究所
神戸キリスト教会

差別・排外主義に反対する連絡会  
在日本朝鮮人人権協会
心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク 
自治市民の会
全ての学校に高校授業料無償化を!練馬の会

精神障害当事者ポルケ
戦争をさせない杉並1000人委員会
全国「精神病」者集団  
全国朝鮮学校オモニ会  
全石油昭和シェル労働組合  

全日本建設運輸連帯労働組合関東支部  
『朝鮮学校のある風景』編集部
チマチョゴリ友の会
地球的課題の実験村杉並  
朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会  

朝鮮学校に教育補償を!オッケトンムの会  
朝鮮学校生徒を守るリボンの会  
朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動
東京・教育の自由裁判をすすめる会  
東京都公立学校教職員組合

東京都高等学校教職員組合
なくそう戸籍と婚外子差別・交流会
練馬人権センター
「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をひきつぐ会
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会  

ビデオプレス
ピースボート
フォーラム平和・人権・環境
府中緊急派遣村  
福岡地区合同労働組合

部落解放同盟東京都連合会
部落解放同盟練馬支部
町田市公立学校教職員組合
「良心・表現の自由を!」声を上げる市民の会
NPO法人レインボー・アクション
 

2017年10月16日月曜日

わたしたちの声を国連へ~活用しよう!国連の人権保障システム~

わたしたちの声を国連へ
~活用しよう!国連の人権保障システム~




 これまで日本政府に対して出されてきた、数多くの国連人権勧告。これらは、日本で人権を守られていない当事者やその支援者が、地道に国連の人権保障システムを活用して引き出してきたものです。

 今年は「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案や日本の表現の自由の状況について、国連人権理事会の特別報告者が深い懸念を示しました。また、11月には同理事会の「普遍的定期的審査(UPR)」の日本審査で、日本の人権状況改善を求める多くの勧告が世界各国から出されることが見込まれます。

 国連「世界人権デー」(12月10日)を記念し、私たち「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会は、こうした国連の動きに当事者たちがどう関わってきたのかに焦点を当てながら、今後、より多くの市民が国連の人権保障システムを活用して日本政府に人権勧告の実現を迫っていく流れをつくっていくために、集会とパレードを企画しました。

 今年、日本政府が国連からどのような人権課題を示され、日本の市民たちが何を求めてきたのかを共有し、一人でも多くの方々と共に「国連人権勧告の実現を!」の声を上げたいと思います。ぜひご参加ください!

【日時】
2017年12月10日(日) 13:20~15:30(開場13:00)
※終了後、デモも行います!

【会場】
青山学院大学 本多記念国際会議場

-住所
東京都渋谷区渋谷4-4-25
-アクセス
JR山手線、JR埼京線、東急線、京王井の頭線、東京メトロ副都心線他「渋谷駅」より徒歩10分/東京メトロ(銀座線・千代田線・半蔵門線)「表参道駅」より徒歩5分
http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/access.html


【プログラム】

●朝鮮高校生によるダンス

●基調講演  前田 朗さん(東京造形大学)「市民社会の声と国連人権勧告」

●個別アピール
 -日本における子どもの権利はどうなってるの?
 -朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を!
 -日本でもできる個人通報制度

*基調講演講師・前田朗さんプロフィール*

~1955年札幌市生まれ。東京造形大学教授(刑事人権論)。日本民主法律家協会理事。国際人権活動日本委員会運営委員。東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会副代表。
 著書に『ヘイト・スピーチ研究序説』『「慰安婦」問題の現在』『黙秘権と取調拒否権』(以上三一書房)、『パロディのパロディ井上ひさし再入門』(耕文社)、『東アジアに平和の海を』(彩流社)など。近年は国連人権理事会や人権条約委員会などに参加し、ウォッチを続け日本の諸方面の活動に大きく寄与されている。
  
  
 ★☆★☆★☆★☆ 終了後、デモも行います!ぜひご参加ください!★☆★☆★☆★☆
  
 
【集会賛同のお願い】



「国連・人権勧告の実現を!実行委員会」では、様々な人権課題に取り組む個人や団体が、連帯して活動しています。日本社会の人権課題は、改善されるどころか、むしろ後退しているといっても過言ではありません。人権意識向上のため、世論に訴えていくことが重要です。ぜひ実行委員会の活動にご賛同をいただき、デモと集会へご参加いただければと思います。

●賛同者・賛同団体を募集しています。賛同いただける場合は、実行委員会までお知らせください。
-メール  jinkenkankokujitsugen@gmail.com
-FAX   03-3819-0467

●賛同金は一口1,000円です。団体の方はできるだけ複数口でお願いします。お振込先は次の通りです。
-加入者名 国連人権勧告実現
-ゆうちょ銀行から 振込口座 00100-6-264088
-ゆうちょ銀行以外から 019支店 当座 0264088
*振込手数料はご負担くださいますようお願いいたします。また、当日集会プログラムに賛同者のお名前を掲載させていただきますが、掲載を希望されない場合はその旨お知らせください。領収証の発行が必要な場合も、その旨を実行委員会までお知らせください。

●賛同お申し込みフォーム

お名前               
連絡先(住所またはメールアドレス)                        
賛同金 (   )口 (        )円

【主催】
国連・人権勧告の実現を!実行委員会
青山学院大学人権研究会
E-mail:jinkenkankokujitsugen@gmail.com
URL:http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
Tel:090-9804-4196(長谷川)

2017年9月23日土曜日

第23回学習会 どうなってるの? 国連の人権保障システム

第23回学習会 どうなってるの? 国連の人権保障システム



 今年5月18日、国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について、「成立すればプライバシーや表現の自由を制約する恐れがある」と懸念を示す書簡を安倍首相に送りました。また5月30日には、国連人権理事会の特別報告者デービッド・ケイ氏が、日本の表現の自由を調査した報告書を発表しました。日本政府はこれらについて、ケナタッチ氏の書簡が「一方的に出された」、ケイ氏の報告書は「我が国の立場を十分に反映していない」などと抗議しましたが、そもそも国連人権理事会の特別報告者制度とは、一体どのようなものなのでしょうか。

 また、これまで日本政府は、人種差別撤廃委員会や女性差別撤廃委員会など、数々の国際人権条約機関から日本の人権状況を改善するよう様々な勧告を受けてきました。今年11月中旬には、国連人権理事会の「普遍的定期的審査(UPR)」の日本政府審査も予定されています。

 国連の人権保障システムが大きな注目を集めている今、私たちは改めてそのシステムと活用方法について学ぶため、国連の人権保障システムの発展と活用に尽力されてきた国際人権団体である「反差別国際運動(IMADR)」にて長年活動されている小森恵さんを講師にお招きし、お話を伺います。貴重な機会をどうぞお見逃しなく!

*チラシのダウンロードはこちらから!

◆講師 小森恵さん(反差別国際運動(IMADR)事務局長代行)

◆日時 2017年11月2日(木) 18:30~20:30

◆会場 連合会館 5F 501会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
http://rengokaikan.jp/access/
千代田線・新御茶ノ水駅 B3出口(徒歩0分)
丸ノ内線・淡路町駅 B3出口(B3出口まで徒歩5分)
都営新宿線・小川町駅 B3出口(B3出口まで徒歩3分)
JR中央線/総武線・御茶ノ水駅聖橋口(徒歩5分)

◆参加費 500円

◆主催 「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会
-E-mail     jinkenkankokujitsugen@gmail.com
-Blog       http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
-Facebook   https://ja-jp.facebook.com/jinkenkankokujitsugen
-Twitter    https://twitter.com/unjinken (@unjinken)

第22回学習会の報告

第22回学習会の報告


◎タイトル「表現・報道の自由の現状は」
◎講師 永田浩三さん

 永田さんの講演は、最新の情報や、話題になったことも交え、分かりやすく、納得いく内容のお話だった。

 まずは、自己紹介としてかつて、安部総理がNHKの慰安婦番組に介入し、番組改竄を指示したときの当事者であったことから話し始め、今その安倍政権の異常さは究極なところまできているが、メディアが追求しないことが大きな問題だと指摘。そして、国連総会でのトランプと安部の戦争の危機を煽るような発言を紹介したが、安倍の発言のときは、空席が目立っていたと。憲法は平和を愛する人との国境をこえた協力を唱い、ドイツのメルケル首相等からは、あくまでも対話による解決に尽力すべきで、その責任を引き受ける用意があると発言があり、韓国の文大統領は、演説の中で平和という言葉を30回も使って危機打開を訴えた。北朝鮮のミサイルは石破自民党議員も言っているように、日本の上空侵犯でもなく、アメリカに向けられたものなのに、まるで日本が戦争危機にあるような雰囲気が作られ、大学にも対策の報告要請が来ているとのこと。かつて信濃毎日の記者だった桐生悠々は、「訓練は無意味だ、外交で戦争させないことが大事。」と言って、陸軍の怒りを買い新聞社を去ったが、その意思は今にも受け継がれ、先日の朝鮮学校判決についての信濃毎日の社説はすばらしかった、と紹介があった。まとめてみると、専門知識のないコメンテーターが登場し恐怖独裁者の意図に沿って発言するなどメディアが危機を煽っていると言える。

 しかし、たった一人でも声を上げる人が出てきた。亡くなった加藤周一さんは「同級生の死を二度とふたたび殺してはならない。小さな私は世界と同じ重みがあるのだ。」と言った。 長崎の原爆忌では、安倍総理にたいして「安倍帰れ、どこの国の総理だ。」との声が飛んだ。東京新聞の望月記者は菅官房長官に防衛予算などが国会の論議を経ずに作成されていることなどを鋭く追求して、官邸に睨まれている。今、官邸は記者の質問の人数と時間を制限しようとしているが、記者クラブが同意するなど問題だ。また、加計問題を告発した元文部官僚の前川さんは夜間中学や朝鮮学校にも暖かい目を注いできたが読売などからの攻撃もうけてきた。メディア間では、政権を追求する側とすり寄る側の激しい争いも起きている。官邸側のコメントを言ってきた山口元TBSワシントン支局長のレイプ事件は、逮捕直前まで行きながら、直前で釈放された。ここには元菅官房長官の議員秘書で警視庁刑事部長だった中村格の指示があったと思われる。政暴走の本質である政治の私物化とそれとは反対の公共性の衝突が起きている。

 今年の5月に強行採決された共謀罪は現代の治安維持法と言われているが、かつて横浜事件と言われた冤罪事件では、共産党の謀議容疑で中央公論と改造社を潰す目的で、旅館で同宿していた多数を逮捕、拷問で死者も出した。次は朝日、岩波が狙われる予定で、政府に批判的な言論封じの目的に使われた。横浜事件の遺族である、木村まきさんはこのような事件を2度と起こさせないために、今、国会前の「共謀罪」反対行動に参加し、また、この事件についての資料は焼却されたことにも疑義を唱え、1986年から第4次再審請求まで23年間訴訟を続けている。「共謀罪」成立によってどのような社会がやってくるのか。無理筋の最たるものが「戦争」だが、権力の側は国家に反逆しかねない人たちを監視し、その団体にはスパイを送り込み扇動させて警察に通報するなどまで行う。今行われている脱原発や基地反対、環境問題、PTAや労働組合、政党などにまで網をかけて監視するだろう。2016年4月に国連特別報告者のディビッド・ケイさんが来日したときに関わったが、関係者のヒアリングの中から、日本の表現・報道の現状に危機感を持っていた。日本政府は、拉致問題では国連に訴えるが、言論の自由やプライバシー権では冷笑し、無視すると言うダブルスタンダードな立場をとっている。憲法21条は表現や報道の自由を謳い、放送法では「政治的な公平性」が書いてあるが、政府はそれを悪用して政権に批判的な報道規制を図った。元朝日新聞記者植村さんや朝日新聞に対する安倍総理自らが国会で追及したようなことをディビッドさんは由々しきことと指摘し、面会したジャーナリストの多くが政権ににらまれないように匿名を希望した現実に驚き、ジャーナリストの連帯の必要を示唆した。反ナチ運動の指導者ニーメラーさんの1946年ごろのあまりにも有名になった詩の引用。「ナチスが共産主義者を攻撃したとき私は声を上げなかった。なぜなら私は共産主義者ではなかったから、~~~~~~、そして私が声を上げたとき私のために声を上げるものは誰一人残っていなかった。」

 この夏、NHKの戦争特集番組は好調だったようだが、それにはNHKの会長の交代などいろいろ考えられるが、チームとしての継承性があることも事実だ。公共財としてのメディアは、困っている人、声を上げられない人のために寄り添い、調べ、読み込み、論を立て、伝えるという作業が大事だ。それは憲法13条「個人の尊厳と幸福の追及権」の保障でもある。

 最後に1950年のヒューレット・ジョンソンの言葉が引用された。「百万の署名は彼らを激怒させるだろう、千万の署名は彼らを混乱させるだろう、そして、億の署名は彼らを沈黙させるだろう。」

 講演の後は、多くの参加者から質問や発言が出され、活発な意見交換が行われた。

2017年8月18日金曜日

第22回学習会 表現・報道の自由の現状は?

第22回学習会 表現・報道の自由の現状は?



安倍政権のもとで、日本の「表現・報道の自由」は大きく歪められてきました。国連の人権委員会から、何度も「表現・報道の自由」の侵害についての懸念が表明されています。安倍晋三首相は、これまでの高い支持率を背景に「従う義務なし」と閣議決定までして、国際社会の批判を無視し続けてきました。

 しかし、文部科学省の前川前事務次官の発言を皮切りに、森友学園、加計学園の友だち優遇政治・不誠実な対応、また閣僚の不適切な発言などで、安部政権は大きく支持率を下げ、マスコミも批判報道をはじめています。

 第22回「国連人権勧告の実現を!」実行委員会の学習講演会は、元NHKディレクターで現在武蔵大学で教鞭をとられている永田浩三さんをおよびして、「表現・報道の自由の現状は?」というテーマでお話いただきます。国際社会から日本がどのように見られているのか、安倍政権下における言論統制の手法について、生々しく語っていただきます。

 どなたでも参加いただけますので、ぜひご参集ください。

*チラシのダウンロードはこちらから!

◆講師:永田浩三さん(武蔵野大学教員・元NHK職員)

◆日時:2017年9月22日(金) 18:30~20:30

◆会場:連合会館 5F 501会議室
(千代田区神田駿河台3-2-11)
http://rengokaikan.jp/access/
千代田線・新御茶ノ水駅 B3出口(徒歩0分)
丸ノ内線・淡路町駅 B3出口(B3出口まで徒歩5分)
都営新宿線・小川町駅 B3出口(B3出口まで徒歩3分)
JR中央線/総武線・御茶ノ水駅聖橋口(徒歩5分)

◆参加費:500円

主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

連絡先(Mail): jinkenkankokujitsugen@gmail.com
Blog:      http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
Facebook:  https://ja-jp.facebook.com/jinkenkankokujitsugen
Twitter:   https://twitter.com/unjinken

2017年5月30日火曜日

第21回学習会  福島を離れて -国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー勧告の5年目-

第21回学習会

福島を離れて -国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー勧告の5年目-


 松本徳子さんは、子どもの健康を守るため福島県中通りの郡山市から神奈川県内に避難。事故直後は卒業間近の娘さんと東京に一時避難、福島帰還後腹痛・下痢・鼻血など娘さんの体調変化から自主避難を決意。当時のゼロ歳児は小学生に、小1生は中学生に、小5生は高校生になった。これまで周囲の無理解、持って行き場のない国や東京電力への不信や怒り、これからの生活や家族の健康に募る不安、奪われる子どもの未来、原発事故避難が引き起こす諸々のできごとをのりこえ、家族の生活を取り戻す、松本さんのことばに耳を傾け、その協同の働きにかかわりたいと願います。

 「避難の協同センター」は、貧困対策・自殺防止・シングルマザー支援などを行ってきた市民団体とも連携し、避難者たちの相談をうけ、住居や生活、法律に関してのアドバイスを提供し、また必要な支援につなげています。

*チラシのダウンロードはこちらからどうぞ!
 
◆講師:松本徳子さん(避難の協同センター 代表世話人)
  
◆日時:2017年6月13日(火) 18:30~20:30
  
◆会場:中野区立商工会館(中野区新井1-9-1)
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/162000/d002457.html
JR中央線/総武線、東京メトロ東西線・中野駅北口(徒歩8分)
サンモール、ブロードウェイを抜けた早稲田通り沿い

◆資料代:500円

主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

連絡先(Mail): jinkenkankokujitsugen@gmail.com
Blog:      http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
Facebook:  https://ja-jp.facebook.com/jinkenkankokujitsugen
Twitter:   https://twitter.com/unjinken

2017年5月5日金曜日

第20回学習会の報告

第20回学習会報告

・テーマ ハーグ条約と親子断絶防止法案
・講師 千田有紀さん(武蔵大学・社会学)
・日時 2017年4月24日(月)午後6時30分~

1、面会交流の現状と問題点

(1)親子断絶防止法案の背景
 戦前は父親のみの親権だったが、戦後、婚姻中は共同親権、離婚後は単独親権とされ、離婚後は、母親の親権が多くなっている。
 これに対し、父親団体を中心として共同親権と面会交流を求める運動の強力なロビーイングがあった。諸外国でも同様の経過を経て、同様の法律が施工されたが、すでに問題が指摘され、改正に向かっている。

(2)面会交流中の事件例
① 子どもが殺害され、父親も自殺-兵庫
② 子どもを預けに来た母親が殺され、その後父親も自殺-長崎
③ 父親が灯油をかぶって自殺を図り、止めようとした子どもとともに死亡-文京
 こうした事件は偶然ではない。面会交流中の殺人事件は、アメリカでは毎年70件ぐらい起きている。

(3)2011年の民法766条改正
  1)改正の内容
 「面会交流その他の交流を協議で定める」としており、その時に「子どもの利益を優先する」というものであって、必ずしも、面会交流を強制しているわけではない。
  2)裁判所による運用
 現実には、裁判所が個別の事案を精査する事なく、面会交流を強制している。
 DVは、夫婦の問題で、子どもの利益とは別とされる。
 子どもの虐待は、よほど明確な立証がないかぎり認められない。
 改正以前はDV、虐待被害を重視していたが、裁判所が急展開で、面会交流の実施に舵を切った結果、上記のような事件が、おきている。今後も起こる可能性が高い。
 家庭裁判所の地位の低さゆえの人員不足があって、充分な精査が行われない。
  3)間接強制
 子どもの面会拒否で、母親とその再婚相手に賠償責任が課された(熊本地裁)。
 面接交流の拒否に賠償金100万円の審判が出た例がある。これは、父親に子どもを連れ去られた外国籍の母親からの請求に基づくものではあったが、面会拒否に100万円という衝撃の影響は大きい。
 DVやストーカーで裁判所が、被害者に会うことを禁止は出来ても、会うことの強制をどこまで出来るのかは問題としてある。


2、親子断絶防止法案の問題点

(1)前提とされている考え方
① 面会交流が子どもにとっての利益である
② 両親のそろった家庭がスタンダード
③ 両方の親に会わせないと健全に育たない(議連会長安岡氏)
 いずれも、根拠のない主張、

(2)単独親権を求める母親が子を連れ去るという事件が頻発している?
① 日本では、離婚後は単独親権と決まっている。
② 連れ去らなくても、母親が親権をとれる可能性が高い。それでも連れ去るのは、DV被害などが想定される場合が多い。その割合は25%と言われている。外国では25~50%という場合もある。
 にもかかわらず、DV被害や虐待は、例外的事項とされている。被害者側に厳密な立証を求める。


  1)フレンドリー・ペアレント・ルール
 離婚相手や面会交流に対して、より寛容な親に親権を与えるという考え方。
 相手を批判するとフレンドリーではないと見なされ親権をえられないため、DV・虐待を訴えられなくなる。
  * 松戸地裁判決の例
 父は子どもと6年間会っていなかったが、年間100日間の面会交流を約束、母親は月1回が限界と主張、裁判所は、父が親権をとれば子はより多く両親と会えるとして、父に親権を与えた。
 年間100日は、母親が毎週土曜日に子を迎えに行き日曜日に返すという想定だが、父と母の住居はかなり離れており、非現実的だった。
  2)片親疎外症候群
 子が父(別居親)に会いたがらないのは、母(同居親)に洗脳されているからとされる。アメリカでは、洗脳を解くために子を母親から離し、精神病院や少年院に入れるということまでされている。子どもが、そこでの酷い扱いに懲りて、父との面会を渋々認めると、マインドコントロールが解けたとされる。
 フレンドリー・ペアレントとセットにされ、深刻な問題となっている。
  * アメリカでは
 産みの親は子に対して生まれながらの権利をもつという法制度になっている。
 ミズーリ州では、強姦犯が強姦の結果出来た子に対しても権利をもち、子どもの事について父の同意が必要とされた事例がある。
 親の権利が強くて、子どもの権利条約を批准していない。
 州をまたいで子どもを連れ出すと誘拐とされ、監護している親の移動の権利がない。
 暴力を振るっていた父親に戻された子どもが、自殺したケースもある。
 アメリカでも、離婚後の親権は75%が母になっている。
 共同親権が、家父長制の延長になっている。別れても相手に対するコントロール権があるというふうに見える。 イギリスやオーストラリアはまた違うのに、そちらの方はほとんど紹介されていない。
 フレンドリー・ペアレント・ルールは問題とされてきており、禁止された州もある。

(4)目的
① 子どもの連れ去りの防止。
② 面会交流の定期的安定的な実施
③ 単独親権を廃止し、共同親権を導入
 別居親(主に父)の権利を重視し、子の福祉を中心とした法案になっていない。
 別居、離婚の前に子の監護について必要なことを決めことになっていて、DV被害者が逃げられなくなる。

(5)子どもの意見表明権の否定
 親子断絶防止法のホームページでは、子どもの意見は聞くなとされている。子どもは同居親(主に母)に洗脳されているとして、子どもの意見表明権を否定している。
 子どもが拒否した場合も同居親の責任が問われるため、面会交流を強要し、同居親と子どもの関係まで悪化する場合がある。
 意見表明権は法案で触れられてはいるが、どのようにするかが不明で、実効性に乏しい。日本の裁判所では、専門家とは言えない調査官が、短時間の面接で判断している。
 諸外国では、小児科医、ソーシャルワーカー、精神科医、教育学者などの連携がある。 少なくともこうした関与が必要。

(6)共同親権の問題
 単独親権でも協力関係は可能。父母の関係が、良ければ、親権のある無しにかかわらず面会交流や子どものための協力は可能。
 双方の関係が悪化し、争いの結果、協力が見込めない状態での共同親権になれば、離婚後も紛争が続くことになる。
 関係が良いと譲り合って単独親権、関係が悪いと対立して、共同親権とパラドックスがある。
 アメリカは、75%が母親の単独親権、15%が父親の単独親権、共同親権は1割程度。 韓国は、父親しか親権を持てなかった状態から、女性も親権を持てるようになったということで、共同親権が歓迎されている。
 また養育費削減のために共同親権を主張する事例もある。
  * 香港(共同親権)の場合
 共同親権は与えて終わりではない。離婚後のフォローがある。親に問題がある場合は、子が18歳になるまで、裁判所が介入する。カウンセラーやソーシャルワーカーもついていて、親に問題があると親権剥奪もある。共同親権の別居親にも真摯に子どもに向き合う義務がある。
  * 日本の親子断絶防止法案では
 同居の親に責任を負わせるが、別居の親には何の責任もない。自分の方から面会交流を断つことも、再開の要求もできる。同居の親と別居の親が不平等な法律になっている。
 法実施のための予算措置がなく、一切の支援が期待出来ない。個別に事案が精査されることがない。

(7)個別事情の軽視
  1)継続的親子関係が常に子どものためなのか
 別居親との面会交流が子どもの利益であるとされている。継続的関係を持つことが望ましい。両親そろっていることがいいという前提になっている。面会交流が子どもの利益にならない場合もあるという事が、想定されていない。
  2)親子関係はそれぞれ異なる
 本来なら、個別のケースについて考慮した上で、家庭裁判所が判断すべきだが、個別の事情まで考慮できる体制はない。面会交流を前提として、他の事情は顧みられない。
 面会交流自体は否定すべきものではないが、それぞれの事情を配慮し、認めるべきでない場合もある。
  3)DV・虐待への特別の配慮
 児童虐待防止法、DV防止法の趣旨に反しないようにということが加わったが、実際の運用がどうなるかは不明。虐待やDVは、例外的扱いとなっていて、厳密な立証責任が求められる。
 「交流を行わないとすることを含めて、配慮がなされなければいけない」とされている。被害者側にとっては、対策に具体的性がなく本当に配慮されるか不安がある。会いたい父親側からは、交流を行わないこととすることを含めて反対がある。

(8)父母の責任で良いのか
  1)地方公共団体等の責任
 親には非常に強い義務があるのに、地方公共団体は、「必要な啓発活動、相談、必要な情報の提供、助言、その他の援助」という程度になっている。
 「定期的な面会、安定的なその他の交流」をすべて父母の責任にしている。行政や裁判所の支援がほとんど期待出来ない。きちんとした専門の部署を設け、人員も配置する予算措置が必要。
  2)裁判所の責任
 会わせろと命令はするが、民間団体のすることを支援となっていて、その後の責任を取らない。少なくとも、フィードバックしてかかわり続けるべき。
  3)行政の訴訟リスク
 行政がDV被害者の保護に抑制的になる可能性がある。DV被害者が子どもと逃げ、加害者に住所を秘匿して、住民票を作ろうとした場合、現状でも時間がかかることが多いが、親子断絶防止法違反を理由に拒否される可能性がある。
 拒否した場合はDV被害者から、保護した場合は相手側から、行政が両方の訴訟リスクを抱えることになる。

(9)差し迫った立法の必要性があるのか
 こういう状態で法律が出来ると、DV被害者が別居しようとした時、足枷になる。
 この法律で問題にされていることは、関係性がうまくいっていない時に焦点化される。父母の関係が良ければ、このような法の有無にかかわらず面会交流は行われる。
 今、面会交流できていない親が、この法によって子どもに会えるわけでもない。
 面会交流をめぐって紛争性が高まり、離婚調停がスムーズに進まない可能性がある。

(10)面会交流の実態(学生へのアンケートから)
  1)別居親の中途半端なかかわりで、子どもが傷つくことがある。
① 父が再婚して面会交流を拒否された。
② 面会交流があった時期も母子の生活は苦しかったが、養育費が払われていなかったことが分かって、父親への信頼が失われた。
 など、ほとんどが否定的な意見だった。
  2)良かった例(1件だけ)
 面会交流の時、父母がそろって、3人で食事をしていた。
 単独で別居親に会いたいのではなく、むかしのファミリーに近い状態で会えることがよい結果となったのではないか。
 取り決めはなくお互いが会いたくなった時に会っていた。

(11)冷却期間の必要性
 面会交流について、出来るだけ早期に実現とされているが、面会交流中の殺人事件は離婚直後に起こっている。
 フランスでは、離婚にはすべて裁判所が関与し、3年別居を条件としている。他の欧州諸国もほとんどが同様の規定を持っている。面会交流問題と離婚にタイムラグがある。
 日本の場合、離婚に伴う様々な問題と面会交流が、両者の紛争性が高まっている中で話し合われる。
 離婚直後の双方が問題をかかえたままの状態で、面会交流が強制され、始まることになる。


3、オーストラリアの親子断絶防止法の失敗 小川富之(福岡大法科大学院教授)

(1)2006年の法律
  1)成立と内容
 父親の権利団体の強力なロビーイングで出来た
 ほぼ日本の親子断絶防止法案に重なる内容
 離婚後の親子面会交流の促進-多い方がよい。それが子どもの最善の利益に合致するという考え方
 フレンドリー・ペアレント・ルール

(2)事前準備と結果
  1)準備
 高葛藤の家族の面会を実施するコンタクトセンター
 家庭裁判所のカウンセラーの利用が可能
 DVや虐待の加害者が定期的に通って治療する機関の設置
 すべての取り決めを裁判所を通して行い、スクリーニングもした。問題がある場合は再検討。
 制度改善の調査のために莫大な予算をつけ、フォローアップを行った
  2)結果
 DVと虐待の多発-フレンドリー・ペアレント・ルールが適用されるため、告発すると親権を失う恐れがあって出来なくなった。
 雇用のない場所で離婚になって親権を分け合ったが、面会交流の確保のため転居出来ず、その地にとどまって、トレーラーハウスに住み、生活保護で暮らさざるをえなかったが、それでも裁判所はその地にとどまるよう判決がでた。
 親権を半々で持った場合、収入が同じだと養育費を支払う必要がないということになっている。養育費の節約のために、親権や面会交流を要求するような事例もある。
 親の権利主張に法的根拠を与えたため、紛争性が高まり、子の福祉に反する事態が生じた。

(3)2011年の法改正
  1)法改正のきっかけ-ダーシー・フリーマン事件
 母親を苦しめるために、弟の目の前で4歳の女児を川に投げ込んで殺害。母親へのDVの一環だった。事態の深刻さが明らかになった。
  2)親の権利よりも子の福祉を重視
 虐待やDVの可能性があれば、明確な証明がなくても、最悪の事態を回避するため、面会制限もやむなしと判断した。(なお不十分という批判はある)
 虐待を主張して証明が出来なくても、でっち上げでない限り、罪には問わない。
 DVは夫婦の問題、虐待は親子感と分けがちだが、子どもの面前で暴力を振るう面前DVを含め、ファミリーバイオレンスとして、問題化した。同居親から虐待が主張されれば、面会をすることが子の福祉に反しないことを証明しなければならない。


4、ハーグ条約(1980年採択)

(1)無理解と誤解
 ハーグ条約は国境を超えた子どもの連れさりが問題で、国内移動は条約の適用外。
 子どもの権利条約に基づいているわけではない-子どもの権利条約成立が後
 ハーグ条約は単独親権が前提で共同親権を求めているわけではない-1979年にカリフォルニアが共同親権になったばかり

(2)成立ち
① 取引法で、物に関する法律だった。何か争いがあった時にどこの法で解決するのかの規定。例えば、公海上で沈んだ船の保障をどこの法律で決めるかといった問題。
② 制定当時は、親権を持つ母親の下から父親が連れ去ることを防ぐのが主な目的だった。 その後共同親権に移行するに従い、問題が複雑化した。

(3)国内論議を経ない批准
 もともとはシンプルな条約で、一番熱心なのはアメリカ。なぜアメリカが熱心かについては、「世界中に軍隊を派遣していて、国際結婚が多いから」とも言われるが、真相は不明。
 日本は批准に消極的(DVを受けた母親が、子を連れて逃げ返るのを保護)だったが、アメリカからの圧力で、ほとんど議論がないまま批准した。従って、理解が進まず、誤解も多い。必要な対策も取られていない。

 以上              

2017年4月1日土曜日

第20回学習会 ハーグ条約と親子断絶防止法案

第20回学習会 ハーグ条約と親子断絶防止法案
 

 家父長制が家族の基本となっていた戦前は、長男のみが家の相続人として位置付けられ、夫婦関係が破たんすれば母親は追い出されるのが、当たり前でした。現在は離婚家庭の子どもの8割を母親が引き取ります。しかし養育費は、そもそも取り決めができるのは4割以下ですし、しても養育費が数年で途絶えるようなことも珍しくありません。平均男女賃金格差が60%と収入にはっきり性差がある社会で、シングルマザー家族の多くは貧困です。

 1980年に成立した「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)は、数多くの懸念をよそに2014年、日本も批准しました。これはそもそも単独親権を前提として、母親の監護のもとから父親が子どもを連れだすことを防ぐ目的で作られた条約です。その後共同親権が広がり、ハーグ条約も共同親権も、その後にドメスティック・バイオレンスが社会問題になるにしたがって、そのあり方や運用に大きな疑問が投げかけられています。

 アメリカでは年間約70人ほどの子どもが面会交流のときに、殺害されています。日本でも面会交流に子を連れて行った母親が父親に殺されたという事件が起きています。解決の仕方はもっと多様にあるはずです。

 早くから危険を発信してこられた千田有紀さん(武蔵大学)にお話しいただきます。もう法案は動き出し、待ったなしの状態です。
 
  
◆講師:千田有紀さん(武蔵大学・社会学)
  
◆日時:2017年4月24日(月) 18:30~20:30
  

◆会場:連合会館 5F 501会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
http://rengokaikan.jp/access/

千代田線・新御茶ノ水駅 B3出口(徒歩0分)
丸ノ内線・淡路町駅 B3出口(B3出口まで徒歩5分)
都営新宿線・小川町駅 B3出口(B3出口まで徒歩3分)
JR中央線/総武線・御茶ノ水駅聖橋口(徒歩5分)

◆参加費:500円


*チラシのダウンロードはこちらからどうぞ!


主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

連絡先(Mail): jinkenkankokujitsugen@gmail.com
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2017年3月10日金曜日

第19回学習会の報告

第19回学習会 報告

●テーマ:現代の治安維持法「共謀罪」=共謀罪法を成立させずに、国連組織犯罪条約は批准出来る=
●講師:海渡雄一弁護士
●日時:2017年3月7日(火)

 3月7日、国会会期中だった。メディアや国会で問題になっている森友学園問題は、日本会議の卑劣さと安倍内閣の隠ぺい体質、そして政府や政治家のおごりと金権体質を明らかにしていた。そういう政治状況の中で共謀罪の学習会は行われた。会場に椅子が足りなくなるほどの盛況さであった。皆さんの共謀罪についての関心の深さがよくわかる学習会になった。

 90枚ほど作成されたパワーポイントを見せながらの海渡弁護士の80分間にわたる説明に、参加者は理解を深めるとともに、危機感を更に募らせた。

 海渡さんのレジュメとパワーポイントに従って要約する。

 共謀罪の立法化はなぜ提案されたか?

  政府はテロ対策と説明しているが、理由そのものに大きな混乱がある。批准しなければならないと説明している国際組織犯罪防止条約は、そもそもテロ防止目的の条約ではない。これまでの日本の法律で対応できるので、広範な共謀罪を制定する必要は全然ない。政府の説明には重大な問題が隠されている。

「社会の安全のためには、いったん悪いことを考えた人を処罰する必要がある」?

 共謀の段階から人を処罰すると言うのは、「人は悪いことを思い立ち、他人と合意すれば、それは必ず実行するものとして処罰する必要がある。実際には実行されない犯罪だとしても社会の安全のためには、いったん悪いことを考えた人を処罰する必要がある」という恐ろしい人間観に立っている。

 共謀罪は、犯罪の未然予防のために徹底した管理社会を作り上げ、社会を敵と味方に分け、市民社会自体を終わりなき戦争状態に置くことになりかねない。国家が市民社会に介入する際の境界線を大きく引き下げるもので、盗聴捜査の大幅な拡大を招く危険性をはらんでいる。監視社会の中で、市民は萎縮し、自由に発言できなくなり、国家の内実を知ることができなくなる。沈黙を強いられる社会になってしまう。

政府の説明は恐ろしい内容を想定させる

 先日法務省が説明したことによると、例えば「座り込みをしよう」と話し合った市民団体は、それだけで組織的威力業務妨害を目的とする組織的犯罪集団とみなされる可能性がある。相談しただけで、申し合わせをしただけで犯罪になるという恐ろしい法案を政府は予定している。

変節し、理解できない政府の説明

 元々共謀罪の新設は、日本の法制度の基本原則からみて、不可能であると日本政府は考えていた。

 2006年には法務省は日本に使う必要性のない法律だと説明していた。国内法で立法事実もないのに急に提案に至った裏に、アメリカの圧力があると考えられる。今やテロ対策に必要であると意図的に説明を変えてきた。

密告が奨励される法律である

 組織的犯罪集団の活動として、実行するための組織であること、合意に基づく準備行為であることなどが内容に盛り込まれている。その中で、犯罪の実行着手前に、自首した時はその刑は減免されるという内容は、密告すれば減免されるという密告奨励になりかねない。悪用すれば、犯罪を持ちかけ、会話を録音し、相手の同意を得て警察に届けると、持ちかけたものは処罰されずに、同意したものだけが処罰されるということになりかねない。市民団体にスパイを送りこんで、犯罪を持ちかけ多くの関係者を罪に陥れることもあり得ないことではない。

===

 質問も共謀罪の時効の問題、二重起訴の問題、オリンピックとの関係、組織犯罪集団の指定、アメリカの市民運動との比較、最近の国会情勢についてと鋭い質問が相次いだ。それについても時間ぎりぎりまで丁寧な説明が続いた。

 戦前の治安維持法が左翼政治集団だけでなく、キリスト教団体、宗教団体、その中に創価学会も弾圧されていた歴史的事件を知り、さらに危機感を募らせた。「ものを考えて、口に出した。それを聞いてしまった。そして頷いた。その場に一緒にいた。」それだけで犯罪になる。言葉・コミュニケーションが犯罪になる社会が来てはならないと強く思った。

===

 膨大で歴史的な講演内容をまとめることはとても困難である。さらに詳しいことを知りたい人は「新共謀罪の恐怖」(平岡秀雄・海渡雄一共著 緑風出版)をお読みください。

 また、エドワード・スノーデンの実話を映画化した「スノーデン」(オリバー・ストーン監督)の紹介があった。この映画でアメリカ政府による世界の通信網に対する包括的な傍受の実態を暴露しているそうだ。

 特定秘密保護法、安全保障法制、盗聴を拡大し司法取引を導入する刑事訴訟法の改定など、日本のこの法制改定の動きは、アメリカ同様の強力な監視社会が目前に来ている危険性を強く感じた。と同時に、共謀罪が追加されると、何時でも戦争できるという社会が迫っていることを社会に知らせる早急で幅広い運動が必要だと強く感じた。
 
===

 なお、当日の動画はこちらから。(UPLAN三輪祐児様、humansystem様、撮影をいただきありがとうございました!)

20170307 UPLAN 海渡雄一「~すべての人に尊厳と人権を~現代の治安維持法「共謀罪」―共謀罪法案を成立させずに、国連組織犯罪条約は批准できる―」
https://www.youtube.com/watch?v=UI4k_TvHq9U

'17.03.07 「第19回学習会 『現代の治安維持法「共謀罪」 - 共謀罪法案を成立させずに、国連組織犯罪条約は批准できる -』」 at 連合会館 501会議室
http://twitcasting.tv/humansystem/movie/353426196
 
 

2017年2月5日日曜日

第19回学習会 現代の治安維持法「共謀罪」 ―共謀罪法案を成立させずに、国連組織犯罪条約は批准できる―

第19回学習会  現代の治安維持法「共謀罪」

―共謀罪法案を成立させずに、国連組織犯罪条約は批准できる―



 2017年1月20日から通常国会が始まりました。この国会には重要法案として、これまで2003年の提出以降、3回も廃案になっている「共謀罪」が、名前を「テロ等組織犯罪処罰法」と変えて提出されています。犯罪が行われていないにもかかわらず、犯罪の計画段階で処罰すると言う極めて危険な悪法です。
 
 日本は2003年「国連組織犯罪防止条約」を国会で審議し、賛成多数で可決しましたが、この条約を批准するための国内法の整備が出来ていないとして、「共謀罪」を再三提出してきたのです。
 
 しかも今回は、すでに187の国や地域がこの条約を批准し、2020年のオリンピックまでには何としても国際社会と協力をしなければオリンピックが開催できない、と主張しています。かつて「秘密保護法」を強行採決したときには、国連から日本の「秘密保護法」は国際社会の共通原則である「ツワネ原則」を遵守していないことで、厳しい勧告を受けました。
 
 今回の国際社会との協調、オリンピック開催に必要という政府の主張について、また今回提出される法案の問題点について、この問題に詳しい海渡雄一さんのお話をお聞きし、一緒に考えていきましょう。

(なお、今国会は予算審議が専決事項であり、前国会で積み残された法案についての審議もあるので、この法案については、3月頃になるのではないかと言われています。)




◆講師:海渡雄一さん(弁護士)

[プロフィール]1955年生まれ。東京共同法律事務所所属。日弁連秘密保護法対策本部副本部長/監獄人権センター事務局長/脱原発弁護団全国連絡会共同代表/脱原発法制定全国ネットワーク事務局長。2011年米紙『フォーリン・ポリシー』世界の100人にパートナー福島みずほさんと共に日本人で初めて選出。『危ないぞ共謀罪』『何のための秘密保全法か』『原発訴訟』など著書多数。

◆日時:2017年3月7日(火) 19:00~21:00

◆会場:連合会館 5F 501会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)

千代田線・新御茶ノ水駅 B3出口(徒歩0分)
丸ノ内線・淡路町駅 B3出口(B3出口まで徒歩5分)
都営新宿線・小川町駅 B3出口(B3出口まで徒歩3分)
JR中央線/総武線・御茶ノ水駅聖橋口(徒歩5分)

◆参加費:500円



主催:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

連絡先(Mail): jinkenkankokujitsugen@gmail.com


2017年1月31日火曜日

第18回学習会の報告

第18回学習会報告

●テーマ 「国家戦略特区と家事支援人材」
●講師 竹信美恵子さん(ジャーナリスト、和光大学教授)
●日時 2017年1月26日(木)19:00~21:00

1.外国人労働者の3つの入口

 これまでの①熟練・高技能労働者=表玄関、②「ブラジル日系人」=表玄関、③実習生という名の偽装低賃金労働者=勝手口、④オーバーステイ・人身売買=裏口に加え、新たに⑤高度外国人人材という表玄関労働力が入れられるように。家事支援人材は⑤のひとつ。①の名のもとに②③に近い労働力を導入し、特区という入れ物に放り込んでその妥当性についての公的論議を封じ込めて強行突破している安倍政権。

2.介護実習生と実習生問題

 産業構造の転換と高齢化、景気の停滞、低福祉を基本にした税の使途によって、法定の賃金を払えない産業(製造業、介護など)が増加した。しかし構造の組み換えをせず、既得権益を維持するために労働者にしわよせ。外国人研修生制度には批判があったので労基法が適用される実習生制度へ変わったが、産業構造は変わらないため、長時間労働、残業代のごまかし、家賃や備品費を不当に高く徴集して賃金を取り戻すことが横行。
 家事労働については先行産業が育っておらず「実習」という枠組みでは無理なため「特区」に。

3.家事労働者問題とは何か

 グローバル化の中で起こる男性雇用の不安定化と女性の労働力化。少子高齢化、公的な財源の不足。女性が働くには保育介護サービスが不可欠なのに公的福祉は後退。その穴を埋めるのが家事労働者。シンガポールや香港がその典型。
 しかし家事労働は危険労働。弱い立場に置かれるため虐待が国際的な問題になり、2011年、ILO家事労働者条約(189号条約)が採択された。日本政府は採択当時、賛成している。

4.なぜ「特区」なのか なぜ「家事支援人材」なのか

 2013年、在日米国商工会議所からの要望を皮切りに急ピッチで進展したと言われている。労働者ではなくサービスのための材で、労働法の規制を飛び越える「特区」の利用が進んでいる。
 国家戦略特区の第一次指定地域としては、東京都、神奈川県、成田市、新潟市、大阪府、兵庫県、京都府、福岡市、沖縄県。
 国家戦略特区を決める「三者統合本部」(特区担当大臣、自治体の首長、企業)には労働組合が入っておらず、経済界がすべて決めてしまう仕組みとなっている。行政と経済界が結託し、規制緩和をどんどん進められてしまうつくり。

5.家事支援人材制度の問題点

 ①「指針」であって、労働法ではないため、訴訟などに発展した場合の効力に疑問、②特定期間を認定する第三者管理協議会には政府機関のみが入っており、労働法を決める際の基本条件である政労使合意の場はない、③研修でもないのに労働者は3年で帰国させられる。

6.導入状況

 神奈川県が参入希望業者からの申請の受付を始め、8社(パソナ、ベアーズなど)前後が参入を希望し、この4月から計70~80人程度の受け入れ見込み。大阪ではこれから特区諮問会議の審議→首相の認定→相手国との調整→6月から事業実施の見込み。導入後の実態はまだ不明。

7.日本社会になにをもたらすのか

 低福祉社会の下支えと福祉サービスの自己責任化をもたらすだろう。「税金による福祉」から「自分で買う福祉」へと変わる可能性がある。また、同一労働同一賃金の名のもとに、日本の家事・福祉労働者全体の人件費を最低賃金レベルへと下げていく可能性がある。

8.家事労働者の受け入れに必要なこと

―家事労働者の労働権確保による家事サービスの質向上と社会的緊張の緩和
―家事労働者のための独自の相談窓口の設置。たとえば既存ユニオンのHPなどにリンクを貼り、労働側からの苦情受け皿づくりへ。フェイスブック労働相談のような取り組みを拡大。
―家事サービスを自前購入して済む一般労働者の労働時間規制
―最低賃金の引き上げの重要性
―国際基準の同一(価値)労働同一賃金制
―「財政難だから社会保障削減」の発想転換
―家事労働者条約の批准運動
―サミットへの申し入れ、権利チェックリストなどの働きかけの強化
―日本社会の家事福祉労働の価値の見直し

9.外国人労働者全体に必要なこと

 労働者は人。労働力には人がついてくる。労働力としての部分利用とご都合主義から抜け出し、人として受け入れる道を考えることが現実的な選択。「安い労働力」から「必要な労働力」へ。

●質疑応答・意見

 すでに始まっている特区のチェックシステム、チェックリストの内容、日本人の福祉労働者の現状、アメリカでの家事労働の現状、フェイスブックの取り組みなどの拡大、実習生制度との比較などについて質疑応答・意見があった。